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ぼくはぼくでよかったんだ

梅雨だけど、なんだかさわやかないい天気が続いています。
先日、フリースクール主催のイベントに行ってきました。
学校に行けなくなって家やフリースクールで育った人たちのその後を考えるシンポジウム。
やっぱり、ホームエデュケーションだなんだといっても、ぶっちゃけ親としてはそこのところが心配なわけですから。
で、でね。結果、ほんと行ってよかった。
シンポジストは現在就労している不登校経験者の若者と就労先の社長や上司、
そして、進学している不登校経験者の若者と進学先の先生や先輩というコンピ。
本人だけじゃなくて、社長や先生まで呼んでくるところがまずびっくりです。
若者たちは自分の言葉で自分自身のことを飾らずにさらりと語っていました。

Tくんは小5で学校に行かなくなり、二十歳までフリースクールに所属。その後フリースクール関係の活動をしていたけれど、突然、就職したくなったのだとか。現在は電子書籍を扱う会社に営業職で勤務している。社員数100人くらいの中小企業だ。
Tくん曰く、「大企業や小さな会社よりも、これくらいの中小企業なら僕のような人間を面白がってとってくれるんじゃないかと思った」そうで。
横に社長がいるのにもかかわらず、堂々と言ってのける大物ぶり。しかも、ユーモアたっぷりでまったくいやみがない。
社長の話もよかった。「不登校とかフリースクール出身だとかは、まったく気にした記憶がない。とにかく彼はなんだかやってくれそうな気配を持っていた。実際の行動力もあるし、コミュニケーション能力は非常に高い」らしい。とってもいい人材を得たと言っていました。
しかもTくん、今度社内結婚が決まったそうだ。

Hさんは小4から不登校、おもにホームエデュケーションで育ち、現在はNPO法人に勤務。
私は個人的に以前から知っていて、勝手にうちの娘と重ねてシンパシーを抱いている、とってもかわいいお嬢さんです。
NPO法人の上司の方に「Hさんはうちの陰の人事部長と言われています(笑)」と言われるほど、フリースクール仲間をどんどん巻き込んでいるそう。
自分のやっていることに誇りをもっていて、人のために楽しく一生懸命やっている様子に、おばちゃん、目頭が熱くなりました。

Mくんは小1から不登校でホームエデュケーションで育ち、25歳で生協に就職。この4月からは同じ生協がやっている福祉分野の仕事についています。

Iさんは中学で不登校、フリースクールで育ち、シューレ大学を卒業。アルバイトなどいろいろやるも長続きせず、とうとう自分で映像制作の会社を作っちゃった女性。
ほんと、人の下で働くのが向いていないのなら、自分が社長になっちゃえばいいのよね。おばちゃん、目から鱗です。「たくましい!」の一言です。

それと、とうの若者本人は来なかったけど、彼を雇っているベンチャー企業の社長さんだけが来ていて、その彼が会社でどんだけ役に立っているかを語ってくれた。おだやかな性格のイケメンでパートのおばちゃんたちの癒しになっていたとか、頑固な職人気質の工場長の下につけたときもなぜかぴたりとうまくいったこととか、カードゲーム関係の仕事が舞い込んできたときに彼の知識とやる気がどれだけ会社に利益を生んだかとか。とにかく、この社長もその若者に惚れ込んでる様子でした。

その後、現在大学に進学中の若者たちの話もありまして。
誰の話も面白くて、もっともっと詳しく知りたい。
3日間くらいやってくれないかな〜と思うほどでした。

もちろんそれぞれ不登校の状況も環境も性格も違うんだけれど、
たいていの子たちは学校に行けなくなった理由はよくわからなかったり覚えていなかったりする。(もうそんなことは今やどうでもいいという感じでしょうか)
勉強はほぼ全員が「なーんにもしなかった」と。
ゲームや漫画や、とにかく好きなことばっかりして遊んでいたとか。
その中でTくんが言ったこの言葉が印象的だった。

「ただ、遊んではいたけれど、どうやって生きていくのかっていうことだけはずーっと考え続けていた

そう。
不登校の子たちは、誰かに何も言われなくたって、一番大事なところをちゃんと考えてる。
だから、「これだ!」と自分で納得して動いたときにはブレないし強いし。
苦しい経験をしてるから、そしてそれを受け止めてくれた親や仲間がいたから、人にも優しい。

世の中の9割の人たちの考えはこうでしょ。
「不登校になったら社会に出られない」
「フリースクールなんて逃げなんじゃないか」
「好きなことばかりやってるのは甘え。社会はそんなに甘くない」
「ひきこもっていたらコミュニケーションのとれない人になるじゃないか」

そういう周りからの圧力に屈せずに子を見守り続けるのって、ほんと、たいへんなんです。
あ、そうです。当然、私は親の立場でいつも考えちゃうんだけど。
でもね、いちばんハードなのは子ども自身だよね。
みんなの話の中に親のことが出てきたのはほんの少し。
だいたいがフリースクールを探してきてくれたっていうところ。
ま、それはフリースクール主催のイベントだからそうなんでしょうけど、
とにかく、まずは親が「学校以外の道があるんだよ」と提示してくれることは大きいと思う。
そこに行ける子も、行かない選択をする子もいるけれど、
ずっと「学校」に心を向けていくよりはずっと前向きになれるポイントじゃないかな。
そこから、それぞれが、自分なりの生き方を時間をかけてさがしていくんだよね。
学校、進学というレールのない道を、自分で考えていくわけだから、そりゃ時間がかかるよね。
でも、なんだか、そのほうが人として正しいやり方なんじゃないかと思う。

来年からアメリカの大学に通うというFくんは
「ここ(頭)では東大生に勝てないけど、ここ(ハート)では絶対負けない自信があるから」と言っていた。
ちょっとクサいけどさ、いいよ。若者ってそういう根拠のない自信こそが大事なんだよ。

ああ〜、いいイベントだったな〜〜。
ここのところの停滞気味の気分が一掃された感じです。
さて、私も好きなことをして、世の中の常識なんてしーらんぺ!でいくことにしまっす!
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by momeco | 2013-06-04 11:09 | 日常