これはひとつの試練でしょうか。
今、歯医者さんが大きな壁となって彼女の前に立ちはだかっています。 途中まで治療したので、非常に中途半端な状態です。 早く治療しないともっとひどくなってしまうってことは、 本人が一番わかってて、だから頑張ってるんだけど、 どうしても、勇気が出ない。 いや、出るまでに時間がかかる。 1回目は「心の準備をしてから来ます」と言って去り、 2回目は麻酔して半分以上治療できたのに、後半でギブアップ。 3回目は診察室に入れず。 4回目は行かずにキャンセル。 5回目も行かずにキャンセル。 そして昨日は6回目。 歯医者さんまではなんとかたどり着いたものの、ドアの前でかたまる。 ……あ、この感じ。 学校に行けなくなった日々を思い出す。 行かなくちゃいけないと思っているのに、足が鉛のように重くて動かない。 顔は無表情で血の気がひいて顔色が悪い。 「無理しなくていいよ。帰ろうか?」と言っても ううんと頭をふる。 本人だって闘ってる。 ほんのちょっと勇気を出して頑張ればラクになれるってわかってる。 だから、すごく頑張ってる。 ひとりで、黙って、自分の内側にエールを送ってるんだと思う。 ときどきへにゃっとした半端な笑顔で私を見る。 「がんばれる?」 ううんと頭をふる。でも、帰らない。 で、私も少し応援する気持ちで腕をとって診察室に一緒に入る。 診療用椅子に座るものの頭をつけられない。 私の耳元へ顔をうずめて「終わったらゲームソフト買って」って。 一瞬躊躇するものの、 きっと何か自分を鼓舞する出来事が必要なんだろうなと思って、 「わかった。じゃあ頑張ろう」と約束。 大きく息を吸ってはいて、ようやく横になり治療開始。 皮膚の表面麻酔。長い。こんなに長くやるのか。。 そのうち娘が「苦い、痛い」と言い出し、 先生は私に「どうしますか?ここでうがいしたらまた最初からですよ」と ちょっと厳しい顔で聞く。 そうは言っても娘が嫌がっている。 無理矢理できるわけないじゃないですか。 だいたい「ちょっとでも痛かったら手をあげてね、止めるからね」って 言ってたのがうそになっちゃうじゃない? 「痛がってるのでやめてください」と私。 「次の患者さんが来てしまうので、もう時間がありません」と先生。 ひとりに割り当てられた時間は30分のようだ。 そんなこと、こっちにとっては関係のない話だ。 さっきまで優しかった助手の女の子も無言で冷たい目を向ける。 すごすごと退散する私たち。 でも、娘は次回の予約を入れて欲しいという。 それもなるべく早い日に。 ……。治したいんだよね。早くこの状態から抜け出したい気持ちはあるんだよ。う〜む、切ない。 クリニックを出て、そのまま家に帰りたくなかったので、 ドトールでふたりで反省会。 「あの先生なんかずっと無言でプレッシャーかけてくるし、あんまり優しさを感じないんだよね、別のゆっくり診てくれる歯医者さんに変えてみない?」と私が言うと、 「先生はいい人だよ。あの先生がいい」と娘。 「うーん」 「あと1回だけ頑張らせて。ね」 って、どっちが大人なんだかわからない、苦笑。 まあ、あなたがそう言うのなら、私はとことんつきあいます。 こうして冷静に書いてますけど、現場では私もイラッとしたり 怒りたくなったりする気持ちをぐーっと我慢してつきあっているのです。 ふうー、忍耐、忍耐。
by momeco
| 2012-04-24 10:18
| むすめ
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